「わかってるってば」
「もう・・・なんで、部屋番、忘れちゃったの~?」

「ごめんなさい・・・」ゆうきは謝っているのかいないのか・・・

「あのさーー・・・」私はこれ以上は攻めてはいけないと思う。

うん・・・そうだ・・・大人だし。

それは昼下がり

誰もいないマンションのロビーで初めて柏木ゆうきと対面した。



「初めまして、柏木です。姉にはお話うかがってます。」

「えーーまじかよ。」

大体のことはわかっているのか?この男・・・

「初めまして。凛です。」

私は、あえて下の名前で返事する。

「・・じゃぁ・・・凛さんで。」ハイって笑顔でゆうきはそうあいづちした。


「か・・・・可愛い・・・」

瞬間萌えしてしまった自分。

「イケない・・・イケない・・・」


「とりあえず・・・部屋へ。」



あまり他人を入れたことのない私の部屋。

でも、「いい!!」

なんのためらいはなく、私は招いた。

作家と担当ってことで

堂々とできるじゃないか・・・

「仕事でね・・・」



私は、ゆうきとエレベーターで

6階の私の部屋へあがって行った。

「あ・・・・見てる?・・・

ねえ・・・見られてる?」

私は、ゆうきの空気を背に感じていた。

「これだよ

これだよ・・・」

心がどんどん潤う自分。

革命的でなんか刺激的だった。


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