桜色ノ恋謌
★
恭哉が迎えに来たのは、電話を切ってからきっかり30分後だった。
駐車場に着いたというメールを読むと、慌ただしく控え室を飛び出す。
途中で公佳ちゃんとすれ違ったけど、「また明日」とだけ挨拶して、その場を離れた。
駐車場に停められた、恭哉の車に近づいて窓を軽く叩く。
電話中だった恭哉は私の姿を認めて一言二言会話を交わしてから、通話を切った。
恭哉が車を降りて私のために助手席のドアを開けてくれると、ためらいながらもそこに乗り込む。
恭哉と付き合いだしてからこんなことはなかったのに、最近になって感じる私自身の気持ちの違和感は何なのだろう?
今までは、恭哉と一緒にいても、こんな気持ちになることはなかったのに。
まるで、罪悪感のようで、自分自身が気持ち悪い。
「…なんか、あった?」
まるで、私の違和感を感じ取ったかのように、恭哉が聞いてきた。
「何もないよ」
そう取り繕う私の視線は、窓の外に移したまま。
なんでなんだろ。
鳥羽さんと再会する前の私は、恭哉に対してこんなに後ろ暗い気持ちなんかなかったのに。
恭哉が迎えに来たのは、電話を切ってからきっかり30分後だった。
駐車場に着いたというメールを読むと、慌ただしく控え室を飛び出す。
途中で公佳ちゃんとすれ違ったけど、「また明日」とだけ挨拶して、その場を離れた。
駐車場に停められた、恭哉の車に近づいて窓を軽く叩く。
電話中だった恭哉は私の姿を認めて一言二言会話を交わしてから、通話を切った。
恭哉が車を降りて私のために助手席のドアを開けてくれると、ためらいながらもそこに乗り込む。
恭哉と付き合いだしてからこんなことはなかったのに、最近になって感じる私自身の気持ちの違和感は何なのだろう?
今までは、恭哉と一緒にいても、こんな気持ちになることはなかったのに。
まるで、罪悪感のようで、自分自身が気持ち悪い。
「…なんか、あった?」
まるで、私の違和感を感じ取ったかのように、恭哉が聞いてきた。
「何もないよ」
そう取り繕う私の視線は、窓の外に移したまま。
なんでなんだろ。
鳥羽さんと再会する前の私は、恭哉に対してこんなに後ろ暗い気持ちなんかなかったのに。