お前のすべてを愛してやる【完】
「あー、これは種痘様水疱症ですね」
「しゅ…とうよう…すいほう…しょう…?」
美和は聞いたこともない病名に首を傾げた。
「えぇ、小児の光線過敏症ですね。大体4~5歳の時に起こるものなんですよ」
そう真剣な顔で言ったのは野宮皮膚科の医院長だ。
色んな病院を転々として、やっと出会えた野宮雅孝。(ノミヤマサタカ)
どこの病院でも分からなかったのに、野宮は亜矢乃の症状を見た瞬間にこの病名を告げたのだった。
それは美和にとって、やっと光が見えた瞬間だった。
が、しかし、それと同時に最悪な生活が美和と亜矢乃を待っていた。