余命5年と言われて(膠原病)

母はトイレに座り、洗面器を持ち吐いていた。

病院に連れていかなくては。

きっと熱中症だと思った。

熱中症じゃなくても、このままだと脱水状態になる。

しかし、わたしひとりで病院に連れて行くのは大変だと思い、妹のケータイに電話をかけた。

妹の家は、うちから車で30分かかるので、すぐに来てもらうには先にかけないといけないと考えたのだ。

でも、母は吐きながら「息ができない」と言い出した。

義弟が電話に出たので、病院にと言っていたのだけど、やっぱり救急車を呼んだ方がいいと考え、救急車を呼んだ。

ほんとに苦しそうに、目を見開いて吐く母。

肺高血圧症が酷ければ、吐くことだけで、息が止まってもおかしくないと思った。

救急隊が家に入ってきたときも、まだ吐いていたし、下痢も続いていた。

「本人が落ち着かないと動かせない。本人も苦しいと思う」と言われた。

そうかもしれないが、今にも死にそうに感じた。

少し収まり、救急隊からオムツはあるかと聞かれた。


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