余命5年と言われて(膠原病)

救命センターに着いて、わたしは保険証を渡しながら、母の状態を聞かれて、そのあと待合室で待つ。

1時間くらいして、中に呼ばれて、担当の医者から「たいしたことはないので、このあと帰ってもいいですよ」

ちょっ、
嘔吐下痢でしょ?
もう帰すの?

「入院はしなくていいんですか?」

「ご家族としては入院をご希望ですか?」

そりゃそーでしょー。
家でまたあんな風になったらどうするの。
薬も飲めないし。

「病気があるので心配なんですが」

「入院するほどのことはないですから」

そういうと母はベッドから降りろと言われ、靴がないので、紙のペーラペラのものをはかされて歩かされた。

えっ、車椅子は?

「歩けるの?」

耳が遠くて聞こえないのか、母はスタスタスタスタ歩いていく。

「あそこまでいくの遠いよ」

スタスタスタスタ……

なんで病人を歩かせるの?
なんで母は歩いてるの?


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