溺愛レッテル
普通に歩けば、とても清々しい、広葉樹の並ぶ道だった。
けれど、この状況でそんな爽快感に浸っていられる人がいたなら、私は敬服する。


人通りの中を、嶺は私の気も知らず平気で通って行く。

人とすれ違う度、自分でもわかるほどに顔が熱くなった。

小学生のときに何もない廊下で転んだときはそれは恥ずかしかったが、もはやそんな程度の話ではない。

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