Sympathy For The Angel
美優紀は1日だけ病院で様子を診ることになった。



私は美優紀が帰宅出来るまで付き添うつもりでいたが、ハヤトがどうしても自分が付き添うからと言い張ったので、美優紀の事はハヤトに任せて一旦帰る事にした。





「……ごめんね、ハヤト。私は何の力にもなれなかった……」

項垂れる私にハヤトは勢いよく頭を下げた。


「とんでもないッス!!もし美優紀が一人でいたらって考えるとゾッとします。椿さんがいてくれたから、美優紀は助かったんです!」


ロビーまで私を見送る間にも、ハヤトは下げた頭を上げる事は無かった………。



医大からの家路を、フラフラと歩く。



聞きたい。



樹の声を。



握りしめていた携帯は、汗でしっとり湿っていた。


気がつけば、その番号に指を合わせて押している。



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