静かな涙【完】
私は思わず宮崎君の顔を見つめる…。



宮崎君は、真っ直ぐに前を見据えて、
私の手を引っ張りながらお姉ちゃん達の所まで歩く…。



『…ねぇ…戻ろう…ねぇ…』



私の小さく呟く声も聞こえないフリをして、
宮崎君はどんどんと足を進めた…。



私達に気付いた、お姉ちゃんと浩司さんが少し驚いた様子で離れた…。




『……先輩…久しぶりっす』




「…宮崎……。」




浩司さんが戸惑いながら私と宮崎君を交互に見つめた。



『…先輩、こんな所でそんな事してちゃあ、ご近所さんからも丸見えですよ』



宮崎君は、表情一つ変えずに言う。。




「……あぁ…すまん…」




浩司さんは、戸惑いを隠せない様子ながら謝った…。


そして、私達が繋いでいる手先に目をやった。



「…お前ら、…そういう事?」




『『……』』




私と宮崎君は言葉に詰まる…。




『…はい。そうです。』



そう答えたのは宮崎君だった。



それを聞き終えた浩司さんは、笑顔になった。



「…そか。まあ宮崎なら任せられるな!」



浩司さんの言葉がグサリと胸に突き刺さる。
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