静かな涙【完】
『宮崎君、来週から地区予選だね!』



『うん。あーぁ…しばらく、真弓とゆっくりデート出来ないなぁ…』



『いいじゃん!私も行くし!地区予選!応援しに行くよ!宮崎君は我が水泳部の期待の星だからね!』



ここは体育館の裏。
いつの間にか私達の待ち合わせの場所となり、二人の時間をここで過ごす事も多くなってきた。



『…なぁ…あの…真弓、そろそろ俺の事、宮崎君て呼ぶの辞めない?智でいいよ。』



『う…うん。解った。とっ…とも君…』




『君は要らないから…』




『解った…。と…も…』




そう言うか言わないかの所で、宮崎君の顔がゆっくり私に近づいて来る…。



私はゆっくりと目を閉じた…



暖かくて柔らかい唇が私に触れた…――――
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