静かな涙【完】
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意識が戻ったのは、救急車の中…



俺の隣には真紀子さんがいて…




朦朧としながら、真紀子さんを見つめた…



酸素マスクをした真紀子さん…



医師はひっきりなしに、真紀子さんの足を診ている…




頑なに閉ざされた真紀子さんの瞳からは…



涙が流れていた…




俺は…
真紀子さんが真弓に見えて…




何度も見間違えた…




真弓を傷つけてしまったのではないかと…




俺は…




不覚にも…



真弓じゃなくて良かったと…




心から思ったんだ…




最低だよな…
俺は。




そして…
再び俺の意識は薄れて行ったんだ…。

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