Again -もう一度恋して-
何気なくその男女に目を向けた。
覚えのある男の顔に心臓がドクンッと鳴った。
視線が合う。
どうせ二股かけてふった女の顔なんて覚えているわけない。
そう思って目を伏せてすれ違った。
「真奈美?」
懐かしい声が聞こえてきた。
ふった女にどうして……名前なんてよばないでよ。
「真奈美知り合い?」
颯ちゃんに訊かれたけど返事ができなかった。
あの横断歩道で見かけたのは彼だったんだ。
二度と会いたくなかった彼が目の前にいる。
私の事なんて覚えていても声なんてかけないでほしかった。
よりにもよって、何で今日なの。
それも颯ちゃんと一緒の時に……。