湊くんの秘密。
あたしの横にいた美菜子の優しい声が聞こえてきて。
涙が出てくるのをぐっと堪えた。
泣くな。泣くな。
泣くな、あたし。
「湊くんからは見えてないから大丈夫」
あたしを隠すように美菜子はあたしの横に立ってくれていて。
その優しさに、またあたしの涙腺が緩む。
頑張るんだもん。
頑張るんだもん。
……辛いのはあたしだけじゃない。
湊くんなんか、あたしよりもっと辛いんだから。
あたしが泣くのは、おかしい。
笑え。
笑え。
顔を上げたら、今からはいつものあたし。
いつもみたいに、大翔様のこと話せばいい。
目から落ちそうな涙を急いで拭って、顔を上げた。