ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)




答えが当たっているかは別として、なんとか解答欄を埋めると……それを持って、職員室へと…急いだ。





「……失礼しま~す!」



カラカラと、職員室の扉が開いて。



「お前~、時間かかり過ぎだぞ。」



先生の、そんなひと言に…顔を上げる。




………と、




「………………!!」



すぐ近くに。


他の先生と何やら話しこむ……由良の姿。




「………!ほな、コレよろしゅう…」


小声で話して、先生の机にプリントを置くと……。



後退りをして、逃げようとする。





「あ…、日向!」


「え。」



先生が…、不意に、呼び止める。



私の視線の先は……

既に…、由良。




ゆっくりと、ゆっくらと……



まるで、スローモーションであるかのように……



由良が、振り返る。






「「…………。」」





見つかって…しもた。





だらだらと冷や汗が…流れる。





「なんや、日向おったんか。」




……………。



オイ、今……なんて?





「日向、お前記名忘れてるぞ。」



「あ、嘘。」



「ペン貸してやるから、ここで書いていけ。」



「すんません……。」





名前を書きながら……


さっきの由良の言葉が、頭の中を駆け巡る。




『おったんか』


『おったんか』



おったんかぁあ~?!




「………。ありがとうございました。じゃあ…、帰ります。」


「ああ。ご苦労様。」







……よう言うたなあ、由良のヤツ。



知らん……、



あんな奴………





もう知ら~~ん!!!








ピシャリとドアを閉めて。




廊下を……ドスドスと歩く。






ひとり悩んで…損したわ。




つまりは…、そういうことやんね。


アレは、何かの間違えっちゅーことやろ?



そうじゃなかったらあんな普通に………







「……逃げんのか!」



背後から……



大きな声が響いて来る。






「…………!」




無駄にデカい声。


誰のものかだなんて…、振り返るまでもなく、判る。





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