ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
「おのれは俺をキュン死にさせる気か?」
「エ。」
「俺は少々夢見心地な猿やねん。」
「………?」
「だから、願望言うてしまうと思うし…。……って、そんなんどいでもええねん。お前が、自分の気持ちに、自分で向き合うて…なんとかせいや。」
「……………。」
「………待ってやるわ。気長~に。」
「……………?」
「けど、邪魔はするで?」
「じゃま?」
「おう、宣戦布告!」
「………?」
「まあ…、お前に言うてもしょーないわな。この辺でもう勘弁して。ほな、俺練習あるからこれで………。」
……宣戦布告?
練習……?
訳わからんキーワード並べて…
謎ばっか残して行くんかいな。
「……野球…、決勝行けるといいな。ある意味面白いモン見れるで。」
「……?ナニ?」
「まだ秘密やねん。じゃあ、また明後日~!」
何やら、上機嫌で…
由良は廊下を歩いていく。
西日がキラキラ、
由良の栗色の髪を照らして……
軽やかに、揺れる。
「…あ~…、由良くんや。かわええなぁ。さっき職員室に呼び出されとったで。」
由良とすれ違った女の子達が、奴に振り返りながら…キャッキャと話している。
「…へ~、なんで?」
「なんか、聞こえたんやけど…ウチの学校て応援団ないやん?由良くんお願いされとった。」
……応援団?
声…、無駄にデカいからか?
「わわ…!じゃあ学ランとか着るんかな?ぶっかぶかやろなあ。」
………。そりゃあちっこいからなあ。
けど、似合いそうやん。
「「めっちゃ萌える~!!」」
……なんと!!そうきおったか!
なんやの、ちびっ子の時代の到来か?
「でも由良くんて男らしーとこあんねん。」
「わかるわかる!体育とかできるし、この前も女の子の荷物もってやっとったで。」
「やっさし~!」
……そんなの……知っとるし。
「小林さん振られた言うとったらしい。めっちゃ噂んなっとるし。だから…チャンスやんなあ?」
「アンタちっこいから由良くんの好みなんちゃう?」
……………。
「…じゃあ、本気で狙っちゃおうかな~?」