ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
アキラが保健の先生を呼んで来て。
念のためだ、と…
副え木に、三角巾をぶら下げられた。
体育祭だから融通もきくだろーけど、こんな形で…ソフトに参加できるとは……
運のいいやっちゃ。
「怪我の功名…かな。」
怪我した腕を、ブラブラと動かすと……
「じっとしとき!なーにが、怪我の功名よ。アンタに得などないやん。」
アキラの叱責の声が…とんだ。
「お得やで?」
「……ん?」
「守備の名手が、ピッチャーするんやもん、貴重やで。」
「………由良くん、ソフトできんの?」
「……多分…、ずっとしたくて、うずうずしとったんやないかなあ……。」
諦めたって…、言っていた。
高校で通用しないって。
でも、マウンドに立つ由良は…キラキラしていて。
いつもよりも…より由良らしくって。
どこかで諦めきれんかったんかな…、って思うくらいに…輝いている。
敵チームの女子の皆さんが…色めき立ってるし。
なんや、由良…
あんさん、やっぱ…かっこえーんやなあ?
由良の制球は…
それはそれは…お見事だった。
嫌味なくらいに落ちる球。
低めに突き抜く…ストレート。
野球未経験者が打てるような球ではなく……
4回、5回表と、3者凡退に仕留める。
「お疲れ様。」
ベンチに戻ってきた由良に……タオルを差し出す。
「………。少しは…惚れ直したか?」
こちらを向かぬまま、由良が…ポツリと呟く。
「………ハナっから…惚れとるで。」
「……。……そうやったか?」
「そや?私なら…由良がお相撲さんになっても、好きでいられる。」
「……。お前ならそーだってわかっとった。それに…お相撲さん、好きやゆーてたな。」
「……?うん。」
「……そうやったらなあ、無謀でも頑張らんと…カッコつかないやん?」
「…………。」
「……細谷に…盗られたくない。サカモトに…返す気もない。」
「…………?」
「見とき。綱引きでは…さすがに見せれんかっただろうから…、見せちゃるわ。俺の勇姿!…なあ…、どうやったら人の気持ちって…繋ぎ止めておけるんやろなあ…?」
「……さあ…。」
「お前みたいなん好きにんなって、お陰で…苦労の連続やねん。どうしてこんなに必死にならんといかんのや?」
「……必死やったんや?」
「そや。」
「………。ウチはな、そーゆー由良が好きや。なんや…自分も必死になるし、つられるねんなあ?追っかけて…追っかけられる。…で、あほらしーって、笑い合う。……由良にしか…できんかもな。」