ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
「………由良…?」
教室の明かりが…煌々と光っていた。
薄暗くなった外。
窓に…映し出される…由良の姿。
……が、
「…………。寝とるんかいっ。なんやの、もー…心配したっちゅーのに。」
机に突っ伏した体。
伸ばした手……。
上を向いた掌には、いつくもの…マメが潰れた跡。
至る所に…血が滲んでいる。
「………。綱引き…練習しとったんやもんなあ。これでよう投げたわ。」
ボールを握るのだって…痛かったはず。
「見上げた根性や。」
焦げ茶の頭を…わしわしって撫でていると。
不意にその手が…捕まってしまう。
「なんだ…、タヌキやったんか。」
「……寝てる。」
「…えらいハッキリした寝言やなあ…。」
手は…離されることなく。
そのままの態勢で…由良は、言葉を続ける。
「……ごめん、間に合わんかった。」
「………それは、私が走れ言うたから……。こっちこそ、ごめんな。」
「………。ちゃうねん、いや、それもそうだけど……。もっと早くに止めてれば、お前に怪我させることなかった。」
「………。そっちか…。どの道、こうならんと…無理は続けてた。ぼろ負け試合になるのを…アンタが止めてくれたんや。」
「……。この手……、左手やん。お前、利き手は右やろ?撫でかたがイビツやねん。」
「しゃーないやん、ギブスして動かせないし。」
「…………痛いか?」
「もう、痛ない。大丈夫や、毎日牛乳飲んで治すし。あんたも付き合うか?身長伸びるで。」
「……。 強がり。」
「そんなん…お互い様やろ。」
由良は、ゆっくりと体を起こして…椅子から立ち上がると。
私をぎゅうと抱き締めた。
「………。……由良…。」
私も片腕を背中に回して…応戦する。
「………。ありがとな、由良。最高に…カッコ良かったで。」
「…………。お前くらいや、俺の醜態をそう言ってのけるのは。」
「……醜態?」
「俺ら…、友達のノリのままやってん、せっかく上手くいったのに…ムードのカケラもなかったやろ?ホンマは大して好いてないんちゃうかって思うようになって……。オマケに、思いっきし焼きもち妬いてた。」
「……。私も妬いたでー、細谷くんに…、香澄ちゃんにも。」
「なんでやねん。わかりづらいんじゃあ、ボケえ。」
「そっちこそ、わからんっちゅーねん。」
「「……………。」」
あほやなあ…、ただ、遠回りしただけやってんなあ…。
「由良あ……。」
「んー…?」