【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「ほら。橘さんしょんぼりしてるじゃん。俺ばっかに構ってるからだよ」
デートなのに、放っとかれるなんてさみしいに決まってる。
男友達とばかり話す彼氏(今はまだ友達だけど)なんて、女の子からしたらイヤなものだと思う。
「え……だ、だって、うまく話せねぇし」
ボソボソと話す松川に、俺はわざとらしくため息を吐いてやった。
「……はぁーっ。柚希、松川置いて行こうか」
「えっ!?あ、う、うん!」
あとは松川自身の問題だ。俺が首を突っ込むようなものじゃないんだよね。
柚希の手を取り、足早に店をあとにする。
外に出たところで一度足を止め、店内を覗いてみると、松川が橘さんと向き合っている様子がうかがえた。
……よし。あとは大丈夫かな。
と、そんな俺の耳に届いた小さな笑い声。