マイ フレンド
1.ずっと…
携帯電話が鳴る。

着信…後藤 久美(ゴトウ クミ)。

電話に出る。

「もしもし…」

『波?…おはよう。』

「うん。」

『やっぱり、昨日の納得いかないんだけど…』

俺は、後藤の話を聞きながら、靴を履く。


「波~!弁当忘れてるわよ!」

母親のセツコから弁当を受け取る。

『波?聞いてる?』

「聞いてない。てか、聞けない。ごめん…今急いでる。」

そう言って電話を切って、玄関を出る。


「おーす!」

声をかけたのは、俺の近所に住む幼馴染み、里山 慎也(サトヤマ シンヤ)。

「もう、遅刻すんよ!」

携帯の時間をみると、8時半だった。

「ごめん。それよりやばい!やばいな!」

俺と慎也は走る。


ずっと、コイツの隣で笑っていたい。

そう何年間も思ってきたんだ……

ずっと…


一緒にいたいって。

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