マイ フレンド
「あの…今日、泊まらせてあげてもいいですか?……泊まるとこがないみたいで…」

戸野はオドオドしながら聞いた。

「…いいんじゃない?アイツいないし、好き勝手しても。」

そう言うと、2階へ上がって行った。


「お前の兄ちゃん?」

「…はい。義理の。」

「義理?」

「前のお母さんが出て行って…わたしが中学の時、お父さんが今の奥さんと再婚したんです。」

「そう……なんか、聞いちゃまずかった?」

「いえ、全然。」

「…そういえば、お母さんとかは?」


間が空く。


「お父さんとお母さんは…出かけてて、今日は帰ってこないんです。2人とも…本当仲良くて。」

無理して笑ってるようにも見えた。

そのとき、服が後ろに引っ張られる。
びっくりして振り向く。


まだ小さな子ども。


「千陽くん、まだ起きてたの?」

「誰?」

「わたしのお友達。早く寝ないと明日起きれないよ!」

戸野は抱っこをして、奥の部屋へ入って行った。

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