恋する吹奏楽部
♬ B♭B♭
「つまんない。」
「さっきっからそればっか。」
「本当のことですから」
この部屋には今
俺こと大翔 聖良(やまと せいら)
漢っぽい苗字に
乙女っぽい名前がコンプレックスの中3です。
打楽器です。
あ、女です。
もうひとりは同じく打楽器の高橋 ふゆ。
俺には彼氏がいる。
絶賛遠距離恋愛中。
ふゆの方はいたって平凡。
彼氏なんて今までできたことないらしいし、
初恋もまだ。
純粋っ子。
すごい性格だけどね。
「なぁ、ふゆ。」
「ん?」
「面白いことしようや。」
「いいよ、夕食までの間に今天才ふゆちゃんが思いついた面白いことしよっか♪」
「なになに?」
「あのね、~~~~~~」
「へぇーwいいよ、やってみようww」
「じゃ、いくよ。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
佑都視点.
「・・・・・・・・・。」
夢雨が出て行ってから30分弱。
ずっとひとり。
部屋を出て、ほかの友達のとこへ行けばいいんだけど、その気にならない。
夢雨・・・。
その時
またドアがいきおいよく開いた。
残念ながら夢雨ではなかった。
「篠崎。」
「うぅ・・・。」
「なんで泣いてんの?たかやんにフラれたの?」
「んなわけないでしょ!」
「んじゃなに。」
「夢雨のばか。」
「どちらかというと篠崎の方が。」
「成績の話してんじゃないわよ。あんたこそ何ないてんのよ。」
「べ、別にないてないんかねぇしっ!!?」
「男がメソメソしてんじゃないわよ。」
「してねぇよっ!なんでここに来たんだよ!てか夢雨は!?」
「たかやんの部屋を教えてもらうためよ!夢雨は私の部屋にいるわ。」
「篠崎の部屋?どこだよ」
「103よ。でも今夕璃もいるからいったらダメ。」
「んだよそれ!」
「今夢雨はケジメをつけなきゃいけないときなの。」
「はぁ?」
「夕璃が夢雨のことすきなのはしってるでしょ?」
「おう」
「まだ返事してないの」
「はぁ!?うそだろ!?」
「うそじゃないの。さっき夕璃がたおれちゃったのよ。だから側にいてあげて欲しいのよ。あと、返事もして欲しいから。」
俺をほっといて島津の側にいんのかよ。
なんかモヤモヤ。
「いいから、夕璃の部屋いっちゃだめだよ。てか、早くたかやんの部屋を教えなさい!」
「207。」
篠崎は無言で出て行ってしまった。
♬ E♭