卑怯な私





「優希はさ、どう思う?」



「何が?」



「翔樹のこと」



あぁ・・・・・・と呟き、直ぐに口を開いた。



「嫌いではないよ」



それって、好きでもあるってことだよね?



きっと私に気を使って言ってくれたのかもしれない。



それでも



それでも、今の私に欲しかったのは“嫌い”という意味を表す言葉。



「もし、告白されたらなんて答える?」



聞くのが怖いくせに聞きたいと思う自分がいる。



「ないない」



手を横に振って否定をする。



「もし、だよ」



「その時は~・・・・・、断るよ」



優希ならそう言ってくれると思ってた。




もしかしたら、自分が安心したかっただけかもしれない。



優希ならそう言ってくれるって分かってて聞いたのかもしれな。









だとしたら、私って







最低だ_______
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