君がすき
驚いた表情で見る久富に、まっつんはグッと親指をたてると、タッタッターと軽い足取りで教室から出て行く。
チラリと隣を見れば、久富はポカンとしたままドアの方を眺めている。
勉強しててーって言われても、あたしと久富、バカコンビだしなぁ…。
でも、いつまでも二人に迷惑かけられないし、やらないとダメだよね。
あ、その前にプリン食べなきゃ。
「まっつんめ…」と呟きながら頭を押さえる久富を眺めながら、パクパクと残りのプリンを食べていく。
久富ってば、何をそんなにがっかりしてるんだろ?
「ねぇ、久富」
「……なんでしょう」
「プリン食べないの?」
なんで敬語?と思いながら、久富の分のプリンを差し出す。
早くプリン食べて、プリントやっとかないと。
夢榎が帰ってきて進んでなかったら、怒られちゃうし。
久富はチラッとプリンを見ると、眉間にシワを寄せた顔であたしの方を見る。
そして「はぁ…」とため息をついたかと思うと、「やる」と一言だけ言われた。