女神の纏足



包み込んでいない方の手で、包み込んでいた私の手を退かされる



「ユっ」


そして次の瞬間には、腕を捕まれ引き込まれていた



背中に回された腕


首筋に感じる吐息


服越しに感じる体温



全てが鼓動を加速させる



緊張に頭が追いつかず、息もできなければ身じろぎ一つ出来ないでいると耳元でかすかな笑い声が聞こえた



「すっごい心臓の音」


「なっ!」


聴こえていることがわかるとますます高鳴る心臓の音



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