女神の纏足



涙を浮かべながらお腹を抱える彼に思わず目を見開いた



何日間か一緒にいたけれど、こんなに豪快に笑うユニ様を初めて見た



いつも彼は静かに、そしてとても綺麗に笑うから




「さ、戻ろうか」



私の頭をポンポンと撫でるとユニ様は灯りのある方へと帰っていく



ボーッと戻っていく彼の背中を見ていると振り返ったユニ様は綺麗に笑う




「おいで、マリア」



柔らかい声で紡がれたその言葉が何だか無性に嬉しくて、



「はい」



私は何故だか泣きそうになった


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