白いジャージとオレンジジュース
そこにいたのは、
大和だった。
生徒会長の大和卓巳【ヤマトタクミ】
みんなのアイドル、大和が・・・・・・
国語室から出てきた。
俺と目が合うと、大和は爽やかに微笑んだ。
「新垣先生、さようなら」
俺は、頑張って平常心を保ちつつ、
「おう、気をつけて帰れよ」
と声をかけた。
声が上ずっていたかもしれない。
まさか、大和が。
斉藤先生と密会していたのが、大和だったなんて。
さっきの男性の声を思い出してみると、大和の声だったようにも思う。
話の内容からしても、相手が生徒である可能性は高い。
でも、何の接点もないはずのふたりがどうして。