白いジャージとオレンジジュース
「たっくんはたっくんでいいんだよ」
「俺は、だらしない。変わろうと思っても変われないのかな」
遠い目をしたたっくんは、過去の自分の失敗を思い出しているようだった。
元カノに冷たくできずに、中田を傷つけたこと。
フラれたショックでキャバクラ通いしたこと。
他にもいろいろあったっけ。
「浮気でもした?」
俺は半分冗談でそう言ったんだけど、たっくんは否定しなかった。
「おい、まさか、本当に浮気したんじゃないだろうな」
俺は強い口調で言った。
中田は、俺にとっても直にとっても大切な子なんだよ。
中田を傷つけるようなことをしたら俺達が許さない。
「浮気、じゃないんだけど」
「じゃあ、何?」
顔を見ればわかる。
迷ったり悩んだりしている時のたっくんは、かっこよくないんだよ。
結婚式でビシっと挨拶していたたっくんは最高に輝いていたのに。