白いジャージとオレンジジュース
「急に呼び出して、どうした?」
俺は、アイスコーヒーを一気飲みするたっくんの顔を覗き込んだ。
また何かあったのだろう。
俺を呼び出す時は、助けて欲しい時だから。
「実はさ」
「どしたぁ?」
ため息をついた後、アイスコーヒーの氷を口に含んだ。
「おれぇ~、やっぱぁ~」
氷をガリガリと噛む。
「俺やっぱ、先生みたいになれねぇわ」
このセリフ、本当に良く言われる。
たっくんだけじゃなく、直の専門学校の友達からも言われたことがある。
俺はそんなにすごい人間じゃない。
俺を目標としてくれるのは嬉しいけど、そんなに出来た男じゃないよ。