白いジャージとオレンジジュース
「たっくんは、このままじゃまた同じことを繰り返すよ。大事だって口で言うのは簡単。でも、本当に中田を大事だと思うなら、そんなことできないと思うよ」
たっくんは、頭をテーブルにつけて、自分の髪をぐしゃぐしゃと乱した。
「俺は見捨てない。だから、ゆっくりでいいから、変わっていこう」
見捨てられるわけがない。
たっくんと中田にはどれだけ助けられたかわからない。
たっくんは、かわいい存在だから。
「その女の子もかわいそうだ。たっくん、結婚してるんだぞ?一緒に飲みに行ってキスまでして、どんどん好きになるだけだろ?あきらめる方向に持っていってやらないでどうするんだよ。その子の人生、たっくんがどうにかできるの?受け入れてやれるのか?」
たっくんは、涙目で俺を見た。
その子犬のような目に、いつも中田は折れてしまっていたんだろう。