白いジャージとオレンジジュース
「やり直せる。大丈夫だよ。たっくんが一生一緒にいたいのは誰?」
「ゆかり」
「だろ?簡単だよ。それを頭に入れておけばいいんだよ。中田は、今まで何度許してくれた?もう次はないぞ。本当に捨てられるぞ?」
よくよく話を聞いてみれば、キスをしてきたのは向こうの方で、ほっぺに軽くキスをされた程度だという。
その時、困ったと同時に、ドキドキしちゃった自分が許せなくて、俺に会いに来た。
俺に喝を入れて欲しかったんだと。
俺は店を出た後、思いっきりたっくんの背中を叩いた。
「しっかりしろ!!」
「はい!!」
困った時に、頼ってくれることが嬉しかった。
俺は話を聞くくらいしかできないが、いつもたっくんの心の中に俺がいるってことが嬉しかった。
「明日、彼女にちゃんと話します。ふたりで会うのは絶対にやめる!!」
「おう。信じてるからな」
たっくんの表情を見ていると、もう大丈夫だと思えた。
店に入ってきた時よりもずっといい顔をしていた。