冷たいな京華さん
「妖怪が妖力を補充するのならば、その方法は相場が決まっておろう?」

「っっっ…」

ゾクリ。

千春の背中に戦慄か走ったのは、決して店内の冷房のせいではあるまい。

思わず踵を返して走り出そうとするものの。

「逃がさぬよ」

ガッと。

小さな紅葉のような手で千春の手首を摑む京華。

その手が恐ろしく力強く、そして氷のように冷たかった。

「わしに遭遇したのが運の尽きじゃ…呪うならばお主の不幸を呪え」

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