三種の神器‐戸嘴美園(こはし みその)の場合
尚、この時美園は内心こう考えていた。普段の行動や持ち物などからはおよそ想像出来ない楓駕(ふうが)が実は大金持ちのおぼっちゃまだったなら、普通の女性なら誰しも『しめた!ラッキィー!』と大喜びするんだろうな?と。
だが美園の場合は違ったのだ。何故ならば自分の生まれた所は今時電車が一時間に一本しか来ないようなド田舎で、田舎には美園を見て時々『アンタ誰ね?』と言う少しボケかけた曾おばあちゃんがいて、父親が脱サラして始めた小規模なコンビニを両親二人で経営してると言う、そんなごく普通の家庭だったからだ。
だからおよそ『お嬢さま』とは程遠い美園は気後れしたのだ。ちなみに結婚に至らないまでもこれから楓駕と付き合ってゆくって事は、やはりちゃんとしたマナーとかをわきまえ、常に堅苦しさが伴うのは明らかなんだろうなと。
『うーん。そんな堅苦しい付き合いなんて私にはムリ。ムリ。って言うか、なんでおじさまが楓駕のお父さまだった訳?そもそもおじさまが勝手に心臓発作なんかでポックリ死んじゃったからこんな事になっちゃったんじゃないの。ホント無責任だわ!』と頭の中でそんな事を考えていたら美園は思わず無意識に頭をブンブン振っていた。
だが美園の場合は違ったのだ。何故ならば自分の生まれた所は今時電車が一時間に一本しか来ないようなド田舎で、田舎には美園を見て時々『アンタ誰ね?』と言う少しボケかけた曾おばあちゃんがいて、父親が脱サラして始めた小規模なコンビニを両親二人で経営してると言う、そんなごく普通の家庭だったからだ。
だからおよそ『お嬢さま』とは程遠い美園は気後れしたのだ。ちなみに結婚に至らないまでもこれから楓駕と付き合ってゆくって事は、やはりちゃんとしたマナーとかをわきまえ、常に堅苦しさが伴うのは明らかなんだろうなと。
『うーん。そんな堅苦しい付き合いなんて私にはムリ。ムリ。って言うか、なんでおじさまが楓駕のお父さまだった訳?そもそもおじさまが勝手に心臓発作なんかでポックリ死んじゃったからこんな事になっちゃったんじゃないの。ホント無責任だわ!』と頭の中でそんな事を考えていたら美園は思わず無意識に頭をブンブン振っていた。