三種の神器‐戸嘴美園(こはし みその)の場合
「うん。確かに私お仕事が終わった後夕方の5時過ぎに退社したから、もうお腹と背中の皮がくっつきそうなくらいお腹がペコペコよ」
  と笑いながら言うと早速七乃葉は美園から手渡されたメニューを開いた。




  ちなみに七乃葉は学生のかたわら自分の父親が経営する貿易会社のオフィスでOLのバイトをしている。まあ、七乃葉はわざわざ働かずに、お料理教室とかお花のお稽古などそう言った類(たぐい)の習い事をしてるだけでも良さ気なのに、七乃葉はそんなだと偏(かたよ)った考え方しか出来なくなりそうでイヤだからと、真面目に世間の荒波に揉(も)まれて働いているのである。




「へー。無国籍料理のお店とあってホント世界各国の美味しそうなメニューがいっぱいあるのね」
  と七乃葉は言うとパラパラとメニューのページを捲(めく)り始めた。




「そうだ。七乃葉さんが加わったからお気軽納得コースにした方が良いかも知れないな」
  と諷駕(ふうが)が言ったので



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