19年後
『ああ、この櫛は確か……』




  その櫛を見て佳夏は高校2年生の時の修学旅行先で失くした、櫛の記憶が脳裏に鮮明に甦った。




  ちなみに佳夏はその当時お気に入りの櫛を修学旅行先で失くし、その時に酷く落胆した。だが嘆いても仕方がないのでそのまま諦めてしまっていたのだった。




  それにしても何故あの時になくなった櫛が19年の歳月を経て再び自分の許(もと)に届けられたのだろうか?と不思議に思い佳夏は首をかしげた。
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