ケータイ小説を書くにあたって
「たまたまそこにいた俺様がヒロインを助ける。
だってほら、ターザンだから!」
「いい加減ターザンから離れようか。
あのさ、ちょっと、一回全部突っ込んでおきたいんだけど、いい?」
「ど、どうぞ。」
威圧的な友人Aの笑顔に、私はそう言うしかなかった。
「宇宙人のヒロインはさ、三億持って執事になれって俺様に言うわけだけど、ヒロインはそもそも最初から俺様のことが好きなの?てゆうかその執事の仕事って、ヒロインの星まで出稼ぎにいく的な感じ?それともヒロインは当分は地球に滞在する予定なの?」
「………。」
なかなかよく動く口だなと感心していると、友人Aは『聞いているのか』と私の頬をつねってきた。