あの加藤とあの課長*SS集
確かに言われてみれば、金髪で、制服の着崩し方とかいかにもって感じだ。

しかも入学早々女連れとは。



「ありゃアカンわ、目ぇつけられてもしゃーない。」



そう言う俺からは、髪の長さで判断こそできるものの、女の方の顔が見えていなかった。

特に興味もなかったけれど、何となく見たくて。


ガンタが急に立ち上がったから、意識はそっちに向いたわけだけど。



「おうおうおう、そこの1年!」



不良丸出しで突っ込んで行くガンタ。

またか…と俺は頭を抱えるばかり。


ガンタは決して悪い奴じゃないし、その先の行動も毎回のことだから読めてはいるものの。


見た目と態度のせいで勘違いされやすいのも事実。

それをフォローするのはいつだって俺の役目。



「…何すか。」



不良丸出しのガンタをギロリと睨みつける1年男。

やっぱり、勘違いされてる。


どデカイ溜め息を吐いて、仕方なくガンタと1年の元へと足を進めた。



「止めとけ、ガンタ。また勘違いされるで。」

「んなっ!?」



その肩に手を置くと、ガンタは心外だと言わんばかりに顔を歪めた。
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