飛ばない蝶は、花束の中に



小さな声で耳打ちした私を、驚いたように見やったお兄ちゃんは。

私の髪を留めている、青い蝶の簪を指先で撫でたのか、飾りの青い珠が。

硝子の透き通った音を、立てた。





「そうしたくなったら、そうするさ」





真っ直ぐに体を起こしたお兄ちゃんは、そうつぶやくと。

不敵な笑みを、微かに浮かべた。





       ~fin~


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