なんであなたは...
「さぁ、これからお待ちかねの、お楽しみの時間だよ~。」
先輩たちは気味悪い笑みを浮かべていて、気付いたら囲まれて、逃げ場などなかった。
運よく、ドア側にいた人は華奢だったので、昔から習っていた柔道の技を使って投げ飛ばし、ドアから逃げた。
しかし、ドアを開けた途端、人にぶつかり、しりもちをついてしまった。
そして、ぶつかった相手はだいちだった。
だいちは、すごくびっくりした顔をしていた。
後ろから、先輩たちが追ってくる足音で我に返り、下を向きながらもう一度ごめんといった。
気付いた時には、後ろに先輩たちがいて、口を塞がれ、奥へ引きずられた。
「ずいぶんなことしてくれるじゃなの~」
口角は上がっていたが、目は激怒のいろをしていた。
私は、怖くて動けなかった。
「やっと、素直になったね~。抵抗しなかったらいたいことはな~んにもしないから。」
『あ、あの。私なにかしましたか?』
私はやっとの思いで口を開いた。
「う~ん。あんたは何もしてないんだよね~。恨むならだいち君を恨んでね!!」
『だいち?? だいちなにかしたんですか??』
「言っちゃていいのかな~? う~ん大雑把にいうと金貸してんだよね~」
衝撃だった。だいちはいつも、元気で悩みがあるような素振りをみせたことがなっかた。
「まぁ、雑談はそれくらいにして、本題と行こうじゃないの~。」
私の体に再び緊張と恐怖がはしった。
「で、あんたにはだいちの代わりに金返してもらおうとおもって。」
えっ??…