侍ヴァンパイア
ゴクリっ


生唾を飲み込むーーー



「これはこれは、、、」



私の手首を大きな手がギュっと掴んだ…



「っ!離して下さいっ!」



「あんちゃん!喋るよこの子!?」



喋りますとも!

そんなに珍しいのか…この下品の塊め!!


それより、手!


なんてバカ力なのっ!!



ニヤニヤ笑いながら、大男は私の額をチェックするーーー



「…………。。。


右」



………………何?今の沈黙?



「やっぱ切符なしかっ♪
この子絶対高いぜ~!ラッキーだな!」



私が…高い?何で?



大男と下品男が目配せして、私の腕をグイッと無理矢理引き上げたーーー



「こっちに来い!!」


嫌だっ!



…怖い!




「嘘ついてんのバレバレなんだけど…


オッサン」



私の後ろーーー



誰も居なかった筈なのにーーー



「あぁっ!?
あんちゃんに向かって失礼なやつだ!?」


「誰だ?お前?」



あーーー



あの時のーーー



お侍さんだーーー



「外道と話す趣味はねーな」



お侍さんは



私の身体を軽々と



抱き抱えていたーーー





< 11 / 385 >

この作品をシェア

pagetop