侍ヴァンパイア

海の女王様

~ゆうなside~


「では、私の手を握って下さいっ」


ゆっくり私は頷き、人魚達の手を取ったーーー


一歩、また、一歩と、海の中に足を入れ進む


「怖からず、私達を信じてっ!~~♪~~♪~」



美しい彼女達は、綺麗な声で歌いだすーーー



その歌が、何故か懐かしくて、、、



私は眠りに落ちていたーーー



~~~~~~~~~~~~~~



手を握ると、握り返してくれる暖かい感触…



『眠れない?』



また、お母さんの、夢を見ているんだねーーー私ーーー



「お母さん…ゴホッゴホッ。ゆうな、あの歌が聞きたいっ」



ニッコリ微笑む母は、風邪を引いた私よりも具合が悪そうだった、、、



『~~♪~~♪~~』



優しく、とても綺麗な声が大好きでーーー


私はよく、母の歌をせがんだーーー



聞いた事もないような不思議な旋律の歌を、母はよく歌ってくれた、、、



病気の時の歌、悲しい時に歌う歌、眠る時に歌う歌、、、



< 130 / 385 >

この作品をシェア

pagetop