侍ヴァンパイア
私は堪らず手を伸ばし、目隠しをほどいた



「血、血だ、、、ゆう、な、、、の、、、匂い」



そして、拘束具を解除する為、さっきの鍵を取り出した



「そうだよ…私だよ」



あれ?鍵穴の形が違う、、、



「血、血、、、」



ブツブツと呟くキョウはとても衰弱しきっていたーーー



不安になりながらも、さっき貰った鍵をあててみる、、、

 

すると、ピカッと光って、鍵穴の形に鍵が変化してゆきーーーかちっ



「あいた…」



一つずつそっと開けてゆく



「もうすぐだからねっ」



最後の鍵穴に鍵をはめる時



とても、とても悲しい瞳をしたキョウと目があった



「どうして、、、そんな目をしてるの?



何だか…とっても悲しそう…」



何も答えない彼の、最後の鍵を開けたーーー




ほんの一瞬、目で追えない程の速さで



彼は私の背後に立つーーー




「お腹が空いているんだよね?



…私は、、、これで貴方が救われるなら



いいんだよ



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