侍ヴァンパイア
でも、目が見えねーコイツは、やっぱり何かと心配で



「夜ご飯は用意しとくからねっ」



後ろから、声が聞こえた



「あぁ」



釣りでもして、ブラッと帰るか



晩飯は一緒に食って、俺は帰る、それが日課になってたーーー




大した大きさでもないが、川魚が釣れて、、、



俺はまずまずの上機嫌で、アイツの喜ぶ顔を思い浮かべて、足を早めた



ーーー




途中、街道がやけにざわついていた




「かっ!火事だぁぁぁっ!!大火事だぁぁぁぁ!!!」




ーーーまさかっ!?



俺の足は徐々に加速して行く




煙が上がっているのは、、、




伊織がいる家の辺りの場所からだーーー




走って、走って、暗くなる街を転がる様に駆け抜けた



とてつもない大火事で、隣近所至るところに火がまわっているーーー



「あんちゃんっ!危ないよっ!」



誰かが俺を止めたが、無視して伊織の居るであろう家の中に、飛び込んでいった




ーーー




「キョウちゃん?




どうしよう…私。」




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