侍ヴァンパイア
オッサンが酷く動揺するのと同時に



まわりの空気が一転しだす



ヒュゥーっ



あたりを覆う禍々しい陰の気ーーー



沢山の亡者達がぐるぐると悲鳴を上げながら




この空間いっぱいを駆け巡る



ーーー




俺はゆうなを探して、亡者の突風の中をひたすら進んだ



身体中擦り傷だらけでも、一歩ずつ、確実に前へと足を運ぶーーー



何も見えない、亡者達の叫び声で、誰が何処にいるのか、気配すらつかめないけど、



ただ、なんとなく、、、ゆうなが俺を呼んでいる、そんな気がした




突如、、、マリアと、横たわるゆうなの姿が俺の目に飛び込んできた





「まずは、貴女にーーー永遠のーーー眠りを」




ゆうなの体の中へ、白くモワッとした蒸気が入ってゆく、、、



ーーー




「そして、わたくしが、貴女になりかわり、ルシファー様と!!」




さらに、光を放つナイフをゆうなへと、振り上げたマリアの手を、



俺は凄まじい勢いで掴みあげ





思いっきり振り払ったーーー




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