乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
『ねぇ、そいつの名前教えてくんない?亮にこっそり聞いといてあげる』
「ホント!?」
あたしは栞に美優さんのフルネームを教えた。
栞は“あたしにまかせて!”なんて頼もしいことを言ってくれた。
『でもさ、陸さんの事は信用してていいと思うよ、誰が見ても陸さんは奈緒しか見えてないって感じじゃん!』
「…うん。でも二人の間に何かあったような気がして…気になる」
『そっか。まぁあんま悩みすぎるなよ~!?一人で抱え込むの奈緒の悪い癖だからさ!今回の事だってもっと早く言ってほしかったのに』
「だって栞勉強頑張ってるのに邪魔したくなくて…」
『もお!奈緒ってばそういう事は気にしないでよ!あたしは頼ってほしいんだからさ、いつでも連絡して?』
「うん…ありがとう栞」
栞はいつでもあたしの味方でいてくれるよね。
栞に相談してよかった。
それからは他愛のない話をして、電話を切った。
少し胸のつかえが取れた気がした。