乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
あたしの言葉はこのうるさいエンジン音に消されて陸さんの耳に届くはずもなく。
30台ほどの単車はうちらの近くで止まり、数人が単車から降りてきた。
ちょ…やばいんじゃ…
あたしは焦って陸さんの肩を叩いた。
「陸さん!どうしようっ」
でも陸さんはあたしの顔を見てフッと笑っている。
その時…
「桐谷さーーーーーん!!!」
と、呼ぶ懐かしい声が。
よく見ると、乱華の子達だった。
陸さんの後、総長となった今江君を先頭にし、懐かしい顔ぶれがあたしたちの方に走ってくる。
乱華だって事、知ってたんだ。
陸さんは単車を降りて今江君たちの方に歩っていく。
あたしも慌ててその後を追った。