恋する季節 *- confession of love -*


その後は小学校の遠足よろしく仲良く集団行動だった。
いい年してのコーヒーカップは誰が一番速く回せるかのくだらない競争になり、案の定途中脱落者が数名出て、ランド内の雰囲気にテンションの上がった男子は、変な形のモニュメントを見つけては一緒に写真に写るという勝手なイベントを発生させて楽しんでいた。

メリーゴーランドにゴーカート、ランド内にある湖を航海する船にも乗ったところで、日が落ち始めて。

いい年してキャッキャとはしゃぎっぱなしだった男子が、ひとつの提案をする。

「じゃあここらへんでお化け屋敷にでも入るとするか。
2、3人ずつ適当に別れて……男女入れ混ざった感じのグループで」

男女入れ混ざったグループ……。
そう言われた瞬間、美琴は大和の姿を探していた。
今が夜なのか夕方なのかは意見が分かれるかもしれないが、大和を取り戻すチャンスだと思ったのだ。

入場口前で決意した通り、他の女子から奪い返さないと。
意気込んで探し始めた美琴の瞳に、すぐに大和の姿が映った。

背の高い大和を見つけるのは案外簡単で、しかも大和もまた丁度なのか常になのか、美琴を見ていたから目が合う。
少し距離はあったが、そのまま一緒に回ろうと誘おうとしてから……美琴がそのまま口を閉じた。


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