絶滅危惧種『ヒト』
「何でだよ」


「それは……オマエが一番分かってんじゃないのか?」



「全然。だってすごいじゃん。いろんな病原菌を研究してて、その全てに精通してるなんてさぁ」


「でもそのせいで、いつも家にいなくて、母さんやオマエらはずっと淋しい思いをしただろう?」



「そりゃあまぁ、子供の頃はね……」



「それにだなぁ、この歳になっても、来月からはまたアフリカだし、オマエは絶対勤務医になったほうが良いぞ」



「え~~~でもさぁ、世界中の……。特に途上国の人を助けるなんて、そういうの凄いって思うし。俺もやっぱり将来は父さんみたいになりたいよ」



「そうか……。でもなぁ直樹、俺はもうこの仕事辞めようかとも思ってるんだ」


「何でさ!?」


父の突然の発言に、直樹は本気で驚いた。

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