絶滅危惧種『ヒト』
「っていうか母さん、玄関先でさぁ」


「ああそうね。ごめんなさい。どうぞ」


梓は聖人の母についてリビングに向かう。


「俺ちょっと部屋に荷物を置いてくるから」


お母さんと二人きりになりたくないのに、空気の読めない聖人は、さっさと自室に向かった。


とりあえず最初の印象は悪くないだろう。

一人で残された梓は、どうしようかその場に立ったまま考えていた。



「紅茶で良かったかしら?」


聖人のお母さんは、そんな梓に向かってそう言いながら、ティーカップとソーサーと、すでに紅茶の葉が入れられているティーポットとティーストレーナーが乗っているトレーを運んでくる。


「あの、お構いなく」


梓は無理に笑顔を作ってそう言うのが精一杯だった。



「あのね梓ちゃん」


「え?」


「構っちゃダメ?」


「は?」


言ってる意味が良く分からない。


「だからぁ~ずっと娘が欲しかったから、構いたいのよ」


「ああ……」


そういうことかと梓は思った。

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