絶滅危惧種『ヒト』
「大変だ! 聖人の学校で例の症例の患者が出た」


『何だって!』


「たった今、聖人から電話があって、患者は藤田朋美っていう女の子らしい」


『何で……』


「それが、その子は例の患者と性交渉があったらしい」


『は? 性交渉? ちょ、ちょっと待て、聖人の同級生だよな?』


「ああ」


『じゃあ17歳?』


「たぶん」


『って、この前の患者って38歳だったよな?』


「そうだけど……」


『ちょっと待て! どうやったら38歳の男が、17歳の女の子とエッチ出来るんだ。教えてくれ!』


「知るか! 真面目にやれ!」


『俺は真面目だ!』


「嘘つけ!」


『オマエのように彼女がいるヤツには分からんだろうが、本当に出会いがなくてだなぁ』


「分かった。分かった。とりあえず今はそんなことを言ってる場合じゃないだろ」


『そうだな。すぐに現場に行かないとって、聖人の学校ってどこだっけ?』


「光ケ丘だよ」


『え? アイツ私立じゃないの?』


「うん。って、だからそんな話はいいだろ」


『あはは。まぁ、そうだな。じゃあちょっと行って来る』


井上はそう言って電話を切った。

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