妄想ガールの王子様
「他のみんなは今頃どうしてるんだろうね?」

「さぁ……?二次会!
とか言ってゲーセンとか言ってるかもね」

春田くんはあまり興味なさそうに言って持っていた本をパラパラとめくる。

わたしは彼の長い指先を何となく眺める。

男の子なのにきれいな指だな……なんて思っていると。

「ねぇ小林さん」

と、春田くんは席を立った。

「ちょっと付き合ってほしいところがあるんだけど」

「えっ?」

「……もうあまり時間がないな。早く行こう!」

そう言って春田くんは図書館を出た。

え?何なの?

わたしは不思議に思いながらも春田くんの後を付いて行った。



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