スキというキモチのカタチ。

色々なキモチ・このは。

想いが通じ合って。

欲しいと強請られて休みの間中、彬に愛されて。


月曜日。


出勤する時はいつもと変わらない朝で。


電車の中でこのはを守る腕がいつもより近くて。

何も話さなくても通じ合っている安心感があった。


一駅先に降りるこのはを心配して彬が同じ駅で下車してきた。


「彬ちゃん、大丈夫だよ。遅刻しちゃうから、乗って。」



そう言うのになかなか離してくれない。


「わかってるよ。

ちょっと充電したかっただけ。」



そう言うと、軽く唇を触れ合わせ発車する電車に飛び乗る。


「あ…彬ちゃん⁈」



恥ずかしい‼恥ずかしすぎる!



ヒラヒラと手を振る彬が電車と共に行ってしまうと、途端に周りの目が気になり始めた。




(急いで行こう‼)




走り出そうとしたこのはを誰かの手が止める。




「みーたーわーよー!」




振り向いたそこには、ニヤニヤと笑う美来が居た。



「詳しく話しなさいよー!
あたしには聞く権利があるんだから!」



このはは小さい体を更に小さくする羽目になったのだった。
< 23 / 37 >

この作品をシェア

pagetop